謹賀新年 - 矢原 繁長 展のお知らせ

2026-01-05

皆様、新年あけましておめでとうございます。

昨年は、多くの出会いとご縁に支えられた一年でした。
株価もバブル後の最高値を更新し、マーケットの熱を感じる一年でした。
今年も日本株、そして金価格も引き続き強そうですね^ ^

美術品のマーケットも、その良い流れにあやかりつつ、価値を見極める目がより重要になる一年になりそうです。

2026年も、良い作品と良い出会いを大切にしていきたいと思います。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

川田画廊では1月10日(土)より「矢原繁長 展 ― 封印から Family へ」を開催いたします。

本展は、矢原が長年取り組んできた〈封印〉という行為を起点に、近年新たに立ち上がってきた〈Family〉シリーズまでを俯瞰的に紹介する構成となっています。展示空間全体を通して感じられるのは、「描くこと」以上に「覆うこと」「消すこと」によって、かえって色や言葉、感情が立ち上がってくるという、矢原作品ならではの緊張感です。

 

矢原繁長、詩集封印

矢原繁長「詩集封印」

■ 封印 ― 見えないものを、確かに在らせる

会場に入ってまず目に入るのは、金属によって詩集を物理的に封じ込めた小品群です。整然と配置されたそれらの作品は、言葉を語ることを拒みながらも、かえって強い存在感を放っています。
読むことのできない詩、触れられない内面。それらを「閉じる」ことで、かえって想像力が静かに喚起される——矢原の制作姿勢を象徴するシリーズと言えるでしょう。

 

矢原繁長

矢原繁長「Red painting」「Black Painting」

■ Red & Black / White painting ― 消すことで現れる色彩

赤と黒を基調とした大型作品、そしてホワイトで覆われた絵画作品では、下層にある詩やドローイング、色彩の痕跡が、完全には消されることなく、かすかな気配として画面に残されています。
幾重にも重ねられた絵具の層は、時間そのものの堆積のようでもあり、観る者は表面の静けさの奥に、激しい制作のプロセスを感じ取ることになります。

■ Family ― 封印の先にあらわれた日常と感情

本展の後半で紹介されている〈Family〉シリーズは、矢原自身が「封印を解いてもよい」と感じ始めた近年の心境を反映した作品群です。小さな人物やモチーフが画面いっぱいに描き込まれた作品には、これまで抑制されてきた感情や日常の気配が、軽やかに、しかし確かな密度をもって表現されています。

一見すると親しみやすく、どこかユーモラスでありながら、そこには「人が生きること」そのものへの深い眼差しが感じられます。封印と解放、その両極を経験してきた作家だからこそ到達した表現と言えるでしょう。

矢原繁長、BrownPainting

矢原繁長「Brown Painting」

ShigenagaYahara

■ 空間としての展示

今回の展示では、階段周りや壁面の余白を生かし、作品同士が呼応するように構成されています。
抽象性の高い作品と、具体的なモチーフを含む作品が同じ空間に並ぶことで、矢原繁長という作家の幅と、一貫した精神性の両方を体感していただけます。

沈黙の中に宿る詩情。
消去の先に立ち上がる色と感情。

ぜひ会場にて、矢原繁長の現在地をご覧ください。

展覧会詳細 >>> https://kawata-gallery.com/exhibition/2314/