「大沢昌助展 Part.01」を12月27日まで開催しております。
2025-12-13

現在、川田画廊では「大沢昌助展 Part.01」を開催しております。
本展は、約70年に及ぶ大沢昌助(1903–1997)の画業を俯瞰する構成となっており、具象・抽象という枠組みを軽やかに越境し続けた、その自由で知的な創造の軌跡を体感していただける内容です。
会場に一歩足を踏み入れると、簡潔なフォルムと明快な色彩による作品群が、空間に心地よいリズムを生み出しています。
初期の具象作品に見られる詩的な構成、抽象作品における都会的で洗練された画面、そして晩年の、具象と抽象が溶け合うような自在な表現——それぞれの時代の作品が、互いに響き合いながら展示されています。まさに「大沢流」と呼ぶにふさわしい、一貫した精神の自由さが会場全体を包み込んでいます。

今回の展覧会パンフレットには、土方明司氏(川崎市岡本太郎美術館 館長/武蔵野美術大学 客員教授)より、大沢昌助の画業と人となりを深く掘り下げたテキストをお寄せいただきました。
土方氏は、大沢作品の根底にあるものとして、合理的思考とロマン主義的思考という二つの極を指摘されています。建築家であった父の影響による理知的な構造理解と、シュルレアリスムに惹かれた精神の自由さ。その両極を往還する思考こそが、大沢絵画の独自性を生み出した原動力であったことが、豊富なエピソードとともに語られています。
また、田園調布のアトリエでの思い出として綴られる、バッハの音楽、夫人のピアノ、美術・音楽・文学・映画を縦横無尽に語る姿からは、作品と同様に「天衣無縫」であった大沢昌助という人物像が立ち上がってきます。
パンフレットの最後に紹介されている、「全てのおきてからはなれて、自由に平面に描き上げる作業は、必ずしも楽とはいえないが、決定の瞬間は悪い気がしないものだ」という言葉は、まさに本展の展示風景そのものを言い表しているようです。

静かでありながら、どこか軽やかで、知的な遊び心に満ちた大沢昌助の絵画世界。
ぜひ会場にて、ご覧いただけましたら幸いです。
大沢昌助展 Part.01
会期:2025年12月4日(木)–12月27日(土)
時間:10:00–17:00
休廊日:12月10日(水)、17日(水)、24日(水)
会場:川田画廊
▶ 展覧会詳細はこちら
https://kawata-gallery.com/exhibition/2290/