– 追悼 – ミズテツオ展 3月7日まで開催中
2026-02-15
川田画廊では現在、画家 ミズテツオ の展覧会を開催しております。
本展は、昨年逝去された作家の画業をあらためて見つめ直す、静かな追悼の機会でもあります。

ミズテツオ 40F MISTRAL
会場に足を踏み入れると、まず目に入るのは、端正な構成と抑制された色彩による抽象作品の数々です。
ミズテツオは「国際海洋信号旗」という世界共通の視覚言語を出発点とし、幾何学的な形態と繊細な線によって独自の絵画世界を築き上げました。理知的でありながら、どこか人の気配を感じさせるその画面は、見る者の内面に静かに働きかけてきます。

展示空間には、大型作品から比較的親密なサイズの作品までがバランスよく配置され、作品同士の呼応によって、ひとつの穏やかなリズムが生まれています。
鮮やかな色面が並ぶ作品は空間に軽やかな緊張をもたらし、落ち着いたトーンの作品は静かな余韻を残す。
画廊という空間そのものが、作品とともに呼吸しているかのような展示となっています。

また、ミズテツオの作品は、強い主張を前面に出すのではなく、鑑賞者が作品と向き合う「時間」を大切にする絵画です。長く眺めるほどに、形の背後にある思考や、積み重ねられた時間の気配がゆっくりと立ち上がってきます。
日常の空間に置かれたとき、年月とともに深みを増し、空間の品格を静かに整えていく――そうした魅力をあらためて感じていただける機会となっています。

新作が生まれることのない今、残された作品一つひとつが、作家の思考と時間をそのまま宿すかけがえのない存在です。
作品の前で立ち止まり、静かに向き合う時間をお過ごしいただければ幸いです。
皆様のご来廊を心よりお待ち申し上げております。
会期:2026年2月14日(土)~3月7日(土) 10時~17時
水曜日・日曜日・祝日 定休 ※2月15日(日)は開廊