川⻄ 英 展 -港町‧神⼾を刻んだ創作⽊版画-

2026-08-19

川西英_ポートタワー_木版画

 

皆様、こんにちは。川⽥画廊の川⽥泰です。いつも当画廊へ⾜を運んでくださり、また、この街の芸術⽂化に関⼼を寄せていただき⼼より感謝申し上げます。さて、川⽥画廊では8⽉27⽇(⽊)より、「川⻄ 英 展 -港町‧神⼾を刻んだ創作⽊版画-」を開催いたします。今回は、⼤正から昭和にかけて神⼾の街と⼈々を深く愛し、その姿を⽊版画に刻み続けた作家‧川⻄英(かわにし ひで)の魅⼒についてご紹介させてください。

 

独学で貫いた「⾃画‧⾃刻‧⾃摺」の精神


川⻄英(1894–1965)は、現在の神⼾市兵庫区に⽣まれ、⽣涯を通じてこの港町を描き続けた版画家です。彼の最⼤の特徴は、下絵を描き、⽊を彫り、紙に摺るという全⼯程を⾃分⾃⾝で⾏う「⾃画‧⾃刻‧⾃摺(じが‧じこく‧じずり)」の「創作版画」というスタイルを確⽴したことです。

分業が主流であった伝統的な⽊版画とは異なり、すべてを⾃らの⼿で⾏うことで、作家の熱量や息遣いが画⾯の隅々にまで宿っています。⼤胆な構図、鮮やかで明るい⾊彩、そして⽊版ならではのリズム感あふれる⼒強い線は、⼀度⾒ると忘れられない⽣命⼒に満ちています。

 

神⼾への深い愛情と『神⼾百景』


川⻄英の作品を語る上で⽋かせないのが、代表作である『神⼾百景』です。昭和初期から数年をかけて制作されたこの連作には、有名な名所だけでなく、何気ない坂道や商店、港の⾵景、そしてそこで暮らす⼈々の飾らない⽇常が温かく描かれています。

近代都市として⼤きく発展していく神⼾の躍動感と、時代の移り変わりとともに失われていく⾵景への優しい眼差し。彼の版画は、美しい美術作品であると同時に、私たちが愛する「あの頃の神⼾」の記憶を⾊鮮やかにとどめる貴重な⽂化的記録でもあります。

 

地域の皆様が語り合える場として


川⻄英が切り取った神⼾の⽇常⾵景には、⼈々の温かい交流や⽣活の息遣いが溢れています。画廊という場所は、単に絵を鑑賞するだけでなく、ご家族やご友⼈、そして地域の⽅々が集い、語り合えるコミュニティの場でありたいと願っております。

本展が、世代を超えて私たちの街‧神⼾への思いを共有し、⼼を通わせる和やかな機会となれば幸いです。

また、今回は特別に「Night Gallery(夜間特別オープン)」も企画いたしました。9⽉5⽇(⼟)と19⽇(⼟)は21時まで開廊しておりますので、お仕事帰りやご⼣⾷の後に、⼤切な⽅と⼀緒にゆったりと芸術の秋をお楽しみいただけます。皆様のご来廊を、⼼よりお待ち申し上げております。

 

展覧会情報


展覧会名:川⻄ 英 展 -港町‧神⼾を刻んだ創作⽊版画

会期:2026年8⽉27⽇(⽊)〜 9⽉19⽇(⼟) 10:00〜17:00

休廊⽇:⽔曜‧⽇曜

会場:川⽥画廊(神⼾市東灘区⽥中町1-13-22-102)

Night Gallery: 9⽉5⽇(⼟)・19⽇(⼟) 各⽇ 17:00〜21:00

展覧会詳細は >>> https://kawata-gallery.com/exhibition/2398/

 

川⻄ 英 (かわにし ひで)略歴


1894年(明治27年)7⽉9⽇ 現在の神⼾市兵庫区東出町に⽣まれる。本名は川⻄英雄。廻船‧穀物問屋を営む裕福な商家の三男として育つ。家業を継ぎ、郵便局⻑に就任

1915年(⼤正4年) 神⼾商業学校(現在の兵庫県⽴神⼾商業⾼等学校)を卒業。家業を継ぐとともに、後に東出郵便局(現在の神⼾東出郵便局)の局⻑に就任。働きながら独学で画業を志す。創作版画との出会いと初⼊選

1923年(⼤正12年) ⽵久夢⼆の展覧会や⼭本⿍の版画に感銘を受け、⽊版画の制作を始める。この年、第5回⽇本創作版画協会展に初⼊選を果たし、本格的に版画家としての道を歩み始める。⽇本版画協会の創⽴に参加

1931年(昭和6年) ⽇本版画協会の創⽴に会員として参加。平塚運⼀や棟⽅志功ら、名だたる版画家たちと交流を深めながら、関⻄の創作版画界を牽引する存在となっていく。代表作『神⼾百景』の制作

1933年〜1936年(昭和8年〜11年) 戦前の活気あふれる神⼾の⾵景や⼈々の暮らしを題材にした代表作『神⼾百景』を制作。異国情緒豊かな街並みや港の姿を、鮮やかな⾊彩と独特の構図で彫り上げる。兵庫県⽂化賞を受賞

1949年(昭和24年) ⻑年にわたる版画芸術への貢献と、地域⽂化の向上に尽⼒した功績が認められ、兵庫県⽂化賞を受賞する。『新‧神⼾百景』の制作

1952年〜1953年(昭和27年〜28年) 戦災を乗り越え、復興を遂げていく新しい神⼾の姿を描いた『新‧神⼾百景』を制作。失われた⾵景を悼みつつ、未来へ向かう街の活⼒を版画に込めた。『兵庫百景』の制作と神⼾市⽂化賞の受賞

1962年(昭和37年) 神⼾新聞に連載された『兵庫百景』の制作を開始(翌年完成)。同年、神⼾市⽂化賞を受賞し、地元神⼾の美術界における確固たる地位を築く。逝去‧勲五等瑞宝章受章

1965年(昭和40年)2⽉20⽇ 70歳で逝去。⽣涯を通じて愛した神⼾の街と芸術への多⼤な功績により、没後に勲五等瑞宝章が授与される。